「俺のプロフィールを書いてくれ」。GPT、Gemini、Claudeに同じことを頼んだ。3つの答えが返ってきた。全部違った。GPTは「泥臭さを見せろ」と言い、Geminiは「数字で殴れ」と言い、Claudeは「その数字、本当に正確か?」と聞いてきた。誰が正しいのか。全員正しくて、全員何かを見落としていた。
なぜプロフィールを書き直すことになったか
有料NOTEが売れない。2本出して、売上ゼロ。
原因はいくつかある。フォロワーが少ない。認知が足りない。信頼が積み上がっていない。でも、もう一つ気になっていたことがあった。
プロフィールが弱い。
NOTEのプロフィールは、読者が最初に見る「顔」だ。ここで「この人、面白そう」と思ってもらえなければ、記事を開いてもらえない。ましてや有料記事を買ってもらうなんて、夢のまた夢だ。
自分で書こうとした。何度も書き直した。でも、自分のことを客観的に書くのは難しい。謙遜しすぎると弱くなる。盛りすぎると嘘くさくなる。
そうだ。AIに書かせよう。しかも3者に。
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GPTの答え:「人柄で勝負しろ」
最初にGPTに聞いた。現状を説明して、「売れるNOTEのためのプロフィールを書いてくれ」と頼んだ。
GPTは3つの案を出してきた。安定型、おすすめ型、販売寄り型。そして「いちばん強いのは2番です」と推した。
その2番がこれだった。
「56歳|元Excel中心。ChatGPT、Claude、Cursorで実用アプリ開発に挑戦中。壊し、詰まり、やり直しながら前に進む50代のAI挑戦記」
悪くない。人間味がある。泥臭さが伝わる。「壊し、詰まり、やり直し」のリズムもいい。
でも、何かが引っかかった。
Geminiの答え:「数字で殴れ」
次にGeminiに同じ質問をした。するとGeminiは、GPTの2番案を見て、いきなり斬りにかかった。
「GPTの案はエッセイとしては満点ですが、マネタイズと検索流入を狙うプロフィールとしては弱いです」
おお。AI同士で斬り合いが始まった。
Geminiの指摘は3つ。「挑戦中」は弱い、読者は結果を出した人にお金を払う。数字(半年で7つのアプリ開発)を捨てるのはもったいない。検索キーワード(非エンジニア等)が足りない。
そしてGeminiが出してきた案がこれだった。
「56歳・非エンジニア|半年で7つの実用アプリを開発。ChatGPT、Claude、Cursorを駆使し、未経験からAI実務化の壁を突破」
確かに強い。数字のインパクトがある。SEOキーワードも入っている。
でも、読んだ瞬間に感じた。これ、ちょっと盛ってないか?
Claudeの答え:「その数字、証明できるか?」
最後にClaudeに聞いた。GPTの案もGeminiの案も見せた上で、「お前はどう思う?」と。
Claudeの最初の一言。
「『7つのアプリ開発』と書いた時、読者に聞かれたら全部説明できますか?」
うっ、と詰まった。
実際には7つどころか、もっと作っている。でもClaudeの指摘はそこじゃなかった。
「数字を出すなら、読者がいつ検証しに来ても耐えられる数字だけ使ってください。プロフィールの数字は、一度でも疑われたら信頼ごと崩れます。正確に数えて自信を持って言えるなら書けばいい。少しでも曖昧なら『複数』の方が誠実です」
GPTは「人柄」を重視した。Geminiは「数字とSEO」を重視した。Claudeは「信頼」を重視した。
3者とも正しい。でも3者とも、自分が重視するポイント以外のことを見落としていた。
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GPTが自分の案を修正し始めた
面白かったのはここからだ。
GeminiとClaudeの指摘をGPTに見せた。するとGPTは、自分が推した2番案の弱点を素直に認めた。
「率直に言うと、Geminiはかなり良いところを突いています。7割から8割は正しいです。私が出した2番の弱点をちゃんと刺しています」
そして自分で修正案を出してきた。Geminiの「数字の強さ」を取り入れつつ、売り込み感を少し抑えた形に。
「ただしGemini案をそのまま採用すると、少し売り込み感が強すぎます。プロフィールは広告文ではありますが、やりすぎると『この人、盛ってないか?』という警戒も生みます」
AIが、別のAIの意見を受けて、自分の意見を修正する。これ、人間の会議と全く同じ構造だ。しかもGPTは自分の間違いを認めることに躊躇がない。人間よりよっぽど素直だ。
3者の性格が見えた
この一連のやり取りで、3大AIの性格がくっきり見えた。
GPTは「共感」の人だ。読者の気持ちに寄り添う。人間味のある表現が得意で、好かれるプロフィールを書く。ただし、数字や検索キーワードへの意識が薄い。
Geminiは「戦略」の人だ。SEO、検索ボリューム、コンバージョン率。マーケティングの視点からプロフィールを組み立てる。ただし、売り込み感が強くなりすぎる時がある。
Claudeは「信頼」の人だ。書いてあることが事実かどうかを最初に確認する。盛ることの危険性を真っ先に指摘する。ただし、慎重すぎてインパクトが弱くなる時がある。
共感、戦略、信頼。どれか一つだけでは完璧なプロフィールは書けない。3つ全部が必要だ。
最終的にできたプロフィール
3者の意見を全部テーブルに並べて、俺が最終判断した。
GPTの「泥臭さ」を残す。Geminiの「数字と検索キーワード」を取り入れる。Claudeの「盛るな」を守る。
出来上がったのがこれだ。
「56歳、元Excel中心の会社員。ChatGPT、Claude、Cursorを使い、競馬予想AI『ダート王』など実用アプリを複数開発してきました。AIに振り回され、失敗と修正を重ねながら、50代からのAI実務化を記録しています」
「7つ」は使わなかった。「複数」にした。嘘がないから。
「挑戦中」は使わなかった。「開発してきました」にした。もう作った人だから。
「非エンジニア」は「元Excel中心」に変えた。同じ意味だけど、50代が「俺もそうだ」と思える具体性がある。
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AIは答えを出さない。選択肢を出す。
今回の経験で、一番大きな気づきはこれだった。
AIに「プロフィールを書いて」と頼むと、AIはプロフィールを書いてくれる。でも、それは「答え」じゃない。「選択肢」だ。
GPTの案をそのまま使ったら、人柄は伝わるけど売れない。Geminiの案をそのまま使ったら、数字は強いけど盛ってると思われる。Claudeの案をそのまま使ったら、信頼は守れるけどインパクトが足りない。
どのAIの案も、そのまま使ったら60点だ。
100点に近づけるには、3者の意見を並べて、自分で判断するしかない。どこを取って、どこを捨てるか。最終判断は人間がやる。
これが、3大AIを「組織」として使うということだ。会議で部下3人が別々の意見を出す。最終決定は上司が下す。AIとの関係も同じだ。
あなたもやってみてほしい
プロフィールに限らない。企画書でも、ブログ記事でも、転職の志望動機でも。
同じ質問を、GPT、Gemini、Claudeの3者に投げてみてほしい。
3つの答えが返ってくる。たぶん、全部違う。
その違いの中に、自分一人では気づけなかった視点が必ずある。「あ、ここは盛りすぎてた」「ここはもっと数字を入れた方がいい」「ここは人間味が足りない」。
1者だけに聞くと、その1者の偏りに気づけない。3者に聞いて初めて、それぞれの盲点が見える。
AIは1者使うより、3者競わせた方が面白い。そして3者の意見を束ねる力こそが、人間の仕事だ。
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