同じ講座の仲間は現実路線、俺だけロマンを追いかけている

50代からのAIプログラミング

同じ講座で学んだ仲間たちは、もう稼いでいる。知り合いの会社でアプリを作る人。業務改善ツールで社内評価を上げた人。ココナラで月5万円の案件を回す人。全員、現実的で、賢くて、着実だ。俺だけが「競馬は数学で証明できる」なんていう、誰にも理解されないロマンを追いかけている。56歳。資金は減り続けている。それでも、やめられない理由がある。

同じスタートラインだった

2025年、AIプログラミングの講座に通い始めた。

受講生は様々だった。30代の会社員、40代の管理職、俺と同世代の50代もいた。全員に共通していたのは「AIで何かを変えたい」という熱だ。

講座が終わる頃には、みんなそれぞれの道を歩き始めていた。

ある人は、知り合いの中小企業に「うちのアプリ作ってあげるよ」と声をかけて、実際に納品した。感謝されて、お金ももらえた。

ある人は、会社の日報システムをAIで自動化した。上司に褒められた。「これ、全部署に展開しよう」と言われたらしい。

ある人は、ココナラに出品して、月に数件の案件をこなしている。まだ副業だけど、確実に収入になっている。

みんな、賢い。「学んだことを、すぐ使える場所で使う」。これ以上に正しい戦略はない。

俺はと言えば、「競馬予想AI」を作っていた。

「なんで競馬?」と聞かれた

講座の仲間に、自分のプロジェクトを話したことがある。

「南関競馬の全レースをAIで予想するアプリを作ってる」

反応は、控えめに言って微妙だった。

「へぇ…競馬かぁ」という空気。「もっと実用的なものを作ればいいのに」という目。誰も口には出さなかったけど、そう思っていたのは伝わった。

わかっている。客観的に見れば、彼らの方が正しい。

知り合いの会社でアプリを作れば、確実に感謝される。ココナラで案件を取れば、確実にお金が入る。リスクが低くて、リターンが見えやすい。

競馬予想AIは、うまくいく保証がない。3ヶ月で8万円溶かした実績すらある。普通に考えたら、正気の沙汰じゃない。

▶ あわせて読みたい:バックテスト回収率300%のAIが、3ヶ月で8万円溶かした話

じゃあ、なぜ競馬なのか

話は18年前に遡る。

1990年から2008年まで、俺は競馬場に通い続けた。毎週末、馬柱を睨んで、自分なりの理論で馬券を買った。

18年間の収支は、ほぼトントンだった。

大勝ちした日もある。大負けした日もある。トータルではプラスでもマイナスでもない。18年かけて、ゼロ。

でも、この「トントン」には意味があった。

競馬の還元率は約75%。つまり、何も考えずに買い続ければ、長期的には25%ずつ減っていく。100万円買えば、平均で75万円しか返ってこない計算だ。

その中で18年間トントンだったということは、俺の予想には少なくとも「平均以上の何か」があったということだ。

でも、勝ちきれなかった。理由はわかっている。

「今日は負けてるから、最終レースで取り返そう」

「この馬は好きだから、データ関係なく買おう」

人間の弱さだ。感情が判断を狂わせる。冷静に分析すれば買わないレースでも、感情が「買え」と囁く。

18年間、ずっとこれに負け続けた。

だから、AIに任せたかった。「買わない判断」を、感情のない機械に委ねたかった。

「アプリを売る」つもりはない

普通なら、こう考えるだろう。「当たるアプリを完成させて、販売して稼ごう」と。

実際、周りからもそう言われた。「月額課金にすれば?」「予想配信サービスにしたら?」

俺の答えは違う。

このアプリを自分で使って、運用益で自立する。

ダート王の転がし運用シミュレーションを回している。元本の5%を投資に回し、1レースあたりの賭け金を計算して、複利で転がす。元本が増えれば1口の金額が上がり、回収額も上がる。

「アプリを売る」のは他人の判断にお金を賭けてもらうビジネスだ。競馬の世界でそれをやるのは、責任が重すぎる。外れた時、他人のお金が消える。

自分の金を自分の判断で賭ける。勝っても負けても自分の責任。この方が性に合っている。

「それじゃ稼げないじゃん」と思うかもしれない。確かに今は赤字だ。でも、全レース予想の回収率が安定して100%を超え続ければ、複利運用で数字は指数関数的に伸びる。

机上の空論か? そうかもしれない。でも、これが俺の仮説だ。仮説は検証するまで机上の空論でしかない。だから毎日データを取っている。

世の中すべて、数学で証明できる

根本に、一つの信念がある。

世の中のすべては数学で説明できる。

競馬も例外じゃない。血統、馬場状態、展開、騎手の判断。不確定要素だらけに見える。でも、すべての現象には因果関係があり、突き詰めれば数式で表現できるはずだ。

これを証明する学力は俺にはない。数学者でもなければ、統計学の専門家でもない。Excelしか使えなかった56歳だ。

でも今、AIがある。

俺の18年分の経験を言語化してAIに渡す。AIがそれを数式に変換する。人間の直感とAIの計算力を掛け合わせて、「競馬は数学で解ける」を証明しにいく。

壮大すぎるか? 笑われても仕方ない。

でも、講座の仲間たちが堅実にお金を稼いでいる横で、俺はこのロマンに人生を賭けている。格好悪くても、非合理でも、これが俺の選んだ道だ。

▶ あわせて読みたい:言語化がAI時代の最強スキルである理由|56歳が1年間で確信したこと

不安がないと言えば嘘になる

資金には限りがある。フリーランスになって7ヶ月。貯金は減り続けている。

講座の仲間がココナラで月5万円を稼いでいると聞けば、正直、焦る。「俺もそっちに行った方がいいんじゃないか」と思う夜がある。

パートナーにも心配をかけている。「大丈夫なの?」と聞かれて、「大丈夫」と答える。でも、根拠のない「大丈夫」だ。

それでも、やめない理由がある。

56歳にして初めて、夢中になれるものに出会った。

会社員時代、毎日同じ時間に出社して、同じような仕事をして、同じような飲み会に行って。それが30年続いた。つまらなかったとは言わない。でも、胸が躍ることもなかった。

今は違う。朝起きて、ダート王のデータを見るのが楽しみだ。「昨日のパラメータ修正、効いてるかな」と思いながらパソコンを開く。効いていれば叫び、効いていなければ悔しがる。

この感覚は、お金では買えない。そして、この感覚がある限り、俺はまだ走れる。

正しい道と、自分の道

講座の仲間たちが選んだ道は「正しい道」だ。学んだスキルを、需要がある場所で使う。リスクを最小化して、リターンを最大化する。ビジネスの教科書に書いてある通りの道。

俺が選んだのは「自分の道」だ。需要があるかわからない。リスクは高い。リターンはゼロかもしれないし、想像を超えるかもしれない。教科書には書いていない道。

どっちが正解かは、まだわからない。

でも一つだけ確信していることがある。50代で脱サラして、残りの人生で何をやるか選べる状況にいるなら、「正しい道」より「自分の道」を歩いた方がいい。

正しい道は安全だ。でも、胸は躍らない。

自分の道は怖い。でも、朝起きるのが楽しみになる。

56歳の残り時間は、胸が躍ることに使いたい。

90日後に答えが出る

今、90日間の集中スプリントの真っ最中だ。競馬予想AI「ダート王」に全リソースを投入している。

90日後、数字が出る。回収率が安定して100%を超えているか。フォロワーは増えたか。収益化の道筋は見えたか。

全部ダメだったら?

その時はその時で考える。でも今は、考えている暇があったら手を動かす。

仲間たちはもう次のステージに進んでいる。俺はまだスタートラインでもがいている。

でも、もがいている今が、一番面白い。

見届けてくれ。

ロマンの全記録を公開中

競馬予想AI「ダート王」の開発と運用。
56歳が「競馬は数学で解ける」を証明しにいく過程を、毎日Xで晒しています。

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